46歳、手首の痛みを“設計”で補う。トラックボールに変えてみた

ロジクール M575 トラックボールの画像 PC作業改善

46歳。正直、昔より疲れやすい。
夕方になると集中力が落ち、手首の痛みがじわりと出てくる。
モニターの文字がぼんやりして、同じ行を何度もなぞっている。

昔は、もう少し長く働けていた気がする。

それはたぶん事実だ。

でも、「仕方ない」で終わらせるのも違うと思っている。

だから最近は、能力を伸ばすより、設計で補えないかを試している。
劇的な変化は求めていない。
ただ、落ちるスピードを少し緩められないか。

その感覚で、少しずつ変えている。


最初に崩れたのは、手首だった

ハードなプロジェクトの終盤。
ある日の夕方、無意識に手首をブラブラさせていた。
仕事が終わるころには、手首をどうケアするかばかり考えていた。

しばらくして気づく。
マウスの持ち方が変わっている。

手首を少し傾け、痛みを逃がす角度で握っていた。
自分でも不自然だとわかっていた。
でも、そのほうが楽だった。

プロジェクトが落ち着いたころ、同僚がトラックボールを使っているのを見た。
丸いボールを指で転がすタイプのものだった。

理由は説明できないが、少し気になった。
あの持ち方に、少し似ている気がした。


トラックボールに変えるという選択

休日に家電量販店に立ち寄り、展示してあったトラックボールに触れてみた。

ロジクールの
MX ERGO Sだった。
本体の角度を変えられるタイプで、手首を自然な位置に保てる設計になっている。

触れた瞬間、「あ、これだ」と思った。

手首を傾け、痛みを逃がしていたあの角度。
体が先に選んでいた形に、少し似ている。

この形は、それを最初から許してくれる気がした。

でも、値段を見てひるんだ。


いきなり高級機は買えなかった

いきなり高級機は買えなかった。

お小遣い制、と言うと少し笑われることがある。
でも、家族がいて、子どもがいて、その中で自分に使えるお金は限られている。

MX ERGO Sはほしかった。
けれど、トラックボール自体が初めてだ。
もし合わなかったら。そのダメージが怖かった。

以前も、低反発のパームレストや、浮遊感のあるリストレストで失敗している。
「また変なものを買ってきて」と言われるのも、少し怖い。

それで選んだのが、同じロジクールの
M575だった。

これでも十分、手首の痛みは逃がせそうだった。
セールを狙って、6,000円台で買った。
親指でボールを転がすタイプ。机の上でマウスを動かさなくていい。

届くまで、少し楽しみだった。

不安もあった。
今まで通りの操作感が出るのか、正直わからない。

でも、「失敗したら戻せばいい」より、
「使いこなしてみたい」という気持ちのほうが、少しだけ強かった。


使いこなすまでの試行錯誤

最初の数日は、カーソルがうまく動かせなかった。

デュアルディスプレイなので、2枚の画面をまたいで操作する。
でも、親指でボールを転がすだけでは思うように届かない。
画面の端まで行くのに、何度も転がす必要があった。

設定をいじった。
カーソル速度を上げる。

最初は速すぎると感じたが、数日で慣れた。
わずかな操作で2枚の画面を行き来できるようになり、この問題はほぼ解決した。

ただ、細かい作業はまだ難しい。
画像の切り抜きや、小さな文字のクリック。
精度が追いつかないことがある。今も完全ではない。

もう一つ、予想外の問題があった。

M575のボールの滑りが悪くなることだ。

使い続けると、受け部分に細かいゴミが溜まる。
動きが鈍くなると、まず掃除が必要になる。
綿棒や爪楊枝で取り除く。

それでも軽さが戻らないときは、シリコンスプレーを少し使う。
摩擦が減り、動きが戻る。

この「道具を手入れする時間」が、悪くない。

少しだけ、儀式のようだ。


結論として言えること

手首の痛みが完全にゼロになったわけではない。
夕方にブラブラさせることも、なくなったわけではない。

ただ、崩れなくなった。

以前は、夕方になるにつれて持ち方が崩れていった。
痛みを逃がすために、自然と角度が変わっていた。

それがない。
意識しなくても、手首の位置が安定している。

一番大きな変化は、前提が変わったことだと思う。

マウスは机の上を動かすもの、という前提があった。
その前提の中で、負担を減らそうとしていた。

でも、トラックボールに変えたことで、
そもそも机の上を動かさなくてよくなった。

設計で補うとは、たぶんこういうことだ。

能力で押し切るのではなく、構造を変える。
やり方を変える。

それで、少し長く崩れずにいられる。

派手ではない。
でも、46歳の今の自分には、それで十分だと思っている。

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