肘掛けのある椅子を使っている。
肘掛けの高さは、いつも机の高さに合わせていた。
それが正解だと思っていたし、特に疑問もなかった。
ある日、前腕の外側がじんわり痛くなった。
最初は「何かにぶつけたか」と思ったが、ぶつけた記憶はない。
そのうち肘のあたりにも違和感が出てきた。
調べてみると、原因が見えてきた。
キーボードを打つとき、私の手首は宙に浮いていた。
肘掛けに腕を置いているせいで、前腕が机より高い位置にある。
だからキーボード上の手首が自然と持ち上がった状態になっていた。
その状態で何時間も打ち続けていた。
「前腕を机の上に投げ出して打つスタイル」があることを、そのとき初めて知った。
腕全体を机の上に乗せて、前腕の重さを机に預ける。
手首を浮かせない。力を入れない。
それが手首や前腕への負担を減らすやり方だった。
試してみた。
肘掛けをほぼ使わなくなって、前腕を机の上に置いて打つ。
悪くなかった。
手首の緊張が確かに減った。
前腕の痛みも、数日で落ち着いてきた。
ただ、一つ問題があった。
机が、冷たくて硬い。
木製の天板に直接前腕を当て続けると、当たる部分が赤くなってくる。
冬の朝は特につらい。
1時間もすると、腕がかゆくなってくる。
それでデスクマットを探し始めた。
800円を買って、1ヶ月で捨てた
まず安いものを試した。
800円の薄型デスクマット。
Amazonで星3.8だったから、そこそこ使えるだろうと思った。
1週間後、ズレ始めた。
1ヶ月後、角が破れた。
薄さ1mm。滑り止めが弱い。
前腕を乗せた状態で作業すると、すぐにデスク端へ押し出されていく。
肝心の「当たり方の柔らかさ」もほぼなかった。
失敗の原因は、値段じゃなく仕様だった。
- 薄すぎる(1mm)→ クッション性がほぼゼロ
- 滑り止めが弱い → 腕の重さで1週間でズレる
- 素材が安いPVC → 耐久性が低い
「安いから仕方ない」ではなく、「前腕を乗せる使い方には合っていない仕様だった」という話だ。
1,200円で、手元が変わった
失敗を踏まえて、条件を変えて選んだ。
厚さ3mm以上。
素材はフェルト。
裏面に滑り止め加工。
サイズは前腕とキーボードが同時に乗るもの。
サンワサプライのフェルト素材デスクマット(3mm)を選んだ。
価格は1,200円ほどだった。
使い始めて最初に変わったのは、前腕の当たり方だった。
冷たくない。硬さを感じない。
机に腕を置いていることを、意識しなくて済むようになった。
キーボードの打鍵音も変わった。
音が響きにくくなった。
在宅で子どもが近くにいるとき、この静かさはかなりありがたかった。
キーボードを3回変えて打鍵音と向き合った話はこちらに書いた。
トラックボールを使っているのでマウスの滑りは関係なかったが、
前腕の置き場所が安定したことで、腕全体の落ち着きが変わった気がした。
デスクマットがやること
デスクマットは劇的に何かを変えるものじゃない。
ただ、「地味な不快感」を取り除くのが仕事だ。
- 前腕が冷たい・硬い机の面に当たる
- パッドがズレてその都度直す
- キーボード音がうるさく感じる
どれも「大きな問題」じゃない。
でも、1日中作業していると、小さな不快感の積み重ねが体に来る。
それを静かに減らしてくれるのが、デスクマットの役割だと思っている。
前腕を乗せるスタイルへの移行3ステップ
いきなり切り替えようとすると、意外と戸惑う。
体がまだ肘掛けの高さに慣れているし、キーボードの位置も変わる。
まず5分だけ試すところから始めた方がいい。
① まず5分だけ試す
肘掛けを下げるか、使うのをやめて、前腕を机の上に投げ出す。
キーボードを普通に打ってみる。
手首が浮かなくなる感覚があるか。前腕が机に当たって不快ではないか。
5分で「悪くない」と思えれば、続けられる。
② 当たる部分を確認する
5分試した後、前腕のどこが机に当たっているか確認する。
肘から先の下面全体が乗っているなら問題ない。
肘の先端だけが当たっているなら、腕の置き方がまだ定まっていない。
デスクマットは、その「当たる面全体」をカバーできるサイズが必要だ。
③ キーボードの位置を調整する
前腕を乗せると、キーボードが思ったより手前に必要になる。
奥に置きすぎると、前腕が机の端から落ちる。
前腕が安定してキーボードに届く位置に、少しずつ動かしてみる。
この調整は1〜2日で落ち着いた。
次に買うなら、ここだけ見ればいい
失敗して気づいたことが3つある。
厚さは3mmを基準にした
800円のは1mm。触るとわかるが、ほぼ机と変わらない。
クッション性がないなら、素材を変える意味がほぼない。
5mm以上は試していないが、沈みすぎると作業が安定しないと聞いた。
3mmは「当たりが柔らかくて、腕が沈まない」バランスがよかった。
素材はフェルトにした
冷たくない。硬くない。長時間乗せても赤くならない。
私はトラックボールを使っているので、マウスの滑りは関係なかった。
その分、「前腕が当たる面として快適か」だけで選べた。
800円のPVC素材は、薄くて冷たくて、まったく役に立たなかった。
サイズは「前腕ごと乗るか」で判断した
キーボードだけ乗るサイズだと、前腕が半分はみ出す。
それだと腕を机に乗せる意味がなくなる。
80×40cm程度あれば、前腕もキーボードも同時に乗る。
私は実寸を測ってから選んだ。これはやっておいてよかった。
道具の順番として
デスクマットは、PCスタンドや椅子より先に買うものじゃない。
ただ、「手の置き方・作業スタイルを変えた」タイミングでは、必要になることがある。
私がそうだった。前腕を机に乗せるスタイルに変えたから、デスクマットが意味を持った。
改善の順番全体については別の記事にまとめてある。
デスクマットはその「最後の整え」の一つだが、作業スタイルの変化に合わせて「必然的に必要になる」タイミングがある。
関連情報
- 厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000025861.html
免責事項
本記事は筆者個人の作業環境改善体験をまとめた情報提供記事です。
作業環境の改善効果には個人差があります。
身体に不調がある場合は、環境改善だけでなく専門家への相談もご検討ください。

