妻に「後ろ姿がおじいちゃんみたい」と言われた日のことを、今もはっきり覚えている。
仕事中じゃない。リビングで夕食を食べているときだ。
我が家のダイニングチェアは背もたれがない。
気づかないうちに、どこにも寄りかかれずに前に崩れていたみたい。
笑い話で流したけど、鏡で確認したら笑えなかった。
首が前に出て、肩が丸まっていた。
不思議だったのは、仕事中はそんな自覚がなかったことだ。
8時間PC作業をして、疲れてはいた。
もともと猫背ではある。
リビングで食事をしているときに、崩れた自分に気づく。
「意識して直す」には、最初から無理があった
椅子に座るタイミングは、姿勢にも意識があるので、ピシッと座る。
でも、仕事に集中するとその意識がなくなり、1時間後には背中が丸くなっている。
休憩するときに気づき、休憩後の座るタイミングでは、またピシっと座る。
これを毎日繰り返していた。
仕事中は、姿勢に意識は割けない。
「姿勢を意識する」のをやめて、「姿勢が崩れにくい環境を作る」方向に考えを変えた。
その入り口が、PCスタンドだった。
今もスタンドを使うようになってから、仕事中に姿勢を意識することはほとんどない。
それが「改善した」ということなのか、「環境が補ってくれているから」なのか、正直よくわからない。
でも、仕事終わりの肩の重さは減った。それは確かだ。
買う前は、厚い本で試した

家にあった厚い本を何冊か積んで、ノートPCの下に敷いてみた。
画面が目線に近づいた瞬間、胸が自然に開いた。
これは効くかもしれない、と思った。
本で効果を確認してから、はじめてスタンドを買う気になった。
BoYataにしたのは、無段階で高さを微調整できることと、Amazonのレビューで「ヒンジが固い」という声が多かったからだ。
5,000円ちょっと。最初は「高いな」と思った。
使い始めた日に、一つだけ驚いたことがある
スタンドを設置して、画面の高さを合わせた。
外付けキーボードを置いて、タイピングしてみた。
最初に気づいたのは、「画面が動かない」ということだった。
当たり前のことだ。でも、その「当たり前」がなかったことに初めて気づいた。
ガチっと固定されている。視線が一点に決まる。
肩の力がすっと抜ける感覚があった。
呼吸が深い。
大げさじゃなく、それまでは息を詰めるように作業していたのだと、そのとき初めてわかった。
2週間後、整体で言われたこと
定期的に通っている整体の先生に、「あれ、今日は肩甲骨がよく動きますね」と言われた。
ストレッチも続けていたので、スタンドだけの効果とは言い切れない。
ただ、そのころ生活で変えたのは画面の高さだけだった。
先生が言うには、首が前に出ると肩甲骨が外に開いて固まりやすくなるらしい。
画面が低いと、首が前に出る。そういう構造だったのか、と思った。
月1万円通っても変わらなかった時期と、何かが違った。それは確かだ。
高さの合わせ方だけ、書いておく
最初は「高ければ高いほど背筋が伸びるはず」と思って上げすぎた。
首の後ろに別の違和感が出てきて、失敗だとわかった。
そこから何度も1cm単位で動かしながら、「呼吸が一番深くできる高さ」を探した。
自分の場合は、画面上端が目線より3.5cm下あたりが一番しっくりきた。
この数字を見つけるまでの話は、別の記事に書いている。
定規一本でできる。順番だけ間違えなければ。
今日の仕事終わりに、10分あれば試せる。
→ 40代のPC作業がつらい原因は「3.5cm」だった
BoYataはその3.5cmを、毎日きちんと再現してくれる。
それが3年使い続けている理由だ。
3年使って、わかったこと

今もBoYataを使っている。
3年経って、ヒンジはまだ固い。1mmもズレない。
これが「信頼感」だと思う。
外したときに「低くて作業できない」と感じるから使っている。
体が新しい基準を覚えてしまった、という感覚に近い。
外出先では、携帯用のBoYataを使っている。
折りたためて軽い。固定力はメインには及ばないけど、カフェや出張先では十分だ。
「固定力が命」はデスクの話で、持ち運ぶなら割り切りが必要だと思っている。
買う前に、一つだけ確認してほしいこと
スタンドで画面を高くしたまま本体のキーボードを叩くと、手首に負担がかかる。
私も最初30分試して、手首が悲鳴を上げた。
姿勢を良くしようとして手首を壊すのでは本末転倒だ。
外付けキーボードとセットで使う前提なら、このスタンドは機能する。
そうでないなら、別の方法を先に考えたほうがいい。
外付けキーボードへの移行で3回変えた話はこちらに書いた。
ちなみに、すでに外部モニターを目線の高さで使っている人も、スタンドの優先度は下がる。
役割が重複するからだ。
私が3年使っているのはこのモデル(黒)だ。
シルバーより指紋が目立たない。それだけの理由で黒にしたけど、結果的に正解だった。
Amazonで確認する
セール時が狙い目だけど、定価でも後悔はしていない。
※私はAmazonのセール時に購入しました。今の価格は上記リンクで確認してみてください。
画面の高さを変えることは、姿勢を「意識する」ことをやめることだ。
環境に任せる。それだけで、頭の中の「また猫背だ」という声が消えた。
仕事終わりの肩の重さが、少し違う。
その「少し」が、夕方の使い物にならない時間を、もう少し使えるものに変えてくれる。
今の画面の高さ、自分で決めましたか。
まずは高さを確認してから、スタンドを選んでほしい。
環境設計の全体像と導入順はこちらにまとめた。
免責事項
本記事は筆者個人の体験をもとにした情報提供記事です。
作業環境の改善効果には個人差があります。
身体に不調がある場合は、環境改善だけでなく専門家への相談もご検討ください。
参考 :VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン(厚生労働省)

