在宅ワークを始めて2年ほど経ったとき、
ためしに自分のデスク環境を真面目にチェックしてみた。
足は浮いていた。
モニターは低かった。
肩は上がったままキーボードを打っていた。
手首は折れた状態でマウスを持っていた。
気づいたら2〜3時間、一度も立ち上がっていなかった。
5項目、全部アウトだった。
「なんとなくつらい」の原因が、ここにあったのかもしれない。
そのとき初めてそう思った。
「なんとなく全体がだるい」という感覚なら別の記事に書いた。
この記事はもう少し具体的な話だ。
「今の環境の何がNGなのか」を5分で確認するためのチェックシートとして使ってほしい。
このチェックリストを記事にしたのは、自分が手探りだったからだ。
疲れやすくなったのは感じていた。
でも、どこが問題なのか分からなかった。
「何かを買えば楽になる気がして」いろいろ試した。
1.5万円の中古の椅子を買った。1ヶ月で体に合わないとわかった。
キーボードを変えた。でも問題はそこじゃなかった。
後になって気づいたのは、「何を買うか」より先に「何がNGか」を把握すべきだったということだ。
この記事はそのためのものだ。
買い物の話は、チェックが終わってからでいい。
5つのチェック
ここから、今の自分の環境を確認してほしい。
「はい」か「いいえ」で答えるだけだ。
チェック① 足裏全体が、床についているか
椅子に座った状態で、足の裏全体が床(またはフットレスト)に着いているか。
つま先だけ、かかとだけ、になっていないか。
確認:足裏全体が着いているか?
足が浮いていたり、太ももの裏がシートで圧迫されていたりするとき、
体はバランスを取るために腰や背中に余分な力を使い続けている。
その緊張が上に伝わって、肩や首に届く。
「肩が重い」「腰がだるい」の原因が、実は足元にあることは多い。
NGだった場合は、フットレストの記事を先に読んでほしい。
足元から整えた経緯を詳しく書いてある。
チェック② モニターを「見下ろして」いないか
今の姿勢で画面を見たとき、顔が前に出ていないか。
うつむく角度になっていないか。
確認:画面の上端が、目線の高さ付近にあるか?
ノートPCを直置きしている場合、ほぼ確実にモニターが低すぎる。
低いモニターを長時間見続けると、首が前傾したまま固まっていく。
私が108回の調整でたどり着いた感覚は、「画面の上端が目線より少し下」。
細かい話はモニター高さの記事に書いた。
NGだった場合、PCスタンドで高さを上げることが最初の手になる。
BoYataを3年使った話も参考になると思う。
チェック③ 打鍵中に、肩が上がっていないか
キーボードを打っているとき、肩が耳に近づいていないか。
肘が浮いていないか。
確認:肩に力を入れずに、キーボードが打てているか?
ノートPCスタンドで画面の高さを上げると、今度は本体キーボードの位置が高くなりすぎる。
その状態で打ち続けると、肩がすくんだまま何時間も作業することになる。
スタンドを使うなら、外付けキーボードはセットだ。
キーボードを3回変えた話は、この順番を間違えた自分の話でもある。
チェック④ 手首が折れた状態で、マウスを使っていないか
マウスを持つとき、手首が横に倒れていたり、上に反っていたりしていないか。
前腕と手が、ほぼ一直線になっているか。
確認:手首の角度が自然なままマウスを操作できているか?
マウス操作中の手首の角度は、気にし始めると「ずっとおかしかった」と気づくことがある。
私もそうだった。夕方になると無意識に手首をブラブラさせていた。
手首と肩の関係についてはトラックボールに変えた話に詳しく書いた。
「道具を変える前に、角度を確認する」という話だ。
チェック⑤ 2時間以上、立ち上がっていない時間帯がないか
午前か午後、気づいたら2時間以上座りっぱなしになっている時間帯はないか。
休憩はとっていても、立ち上がっていないことはないか。
確認:1〜2時間に一度、立ち上がっているか?
在宅ワークでは、会議の移動も、同僚への声かけも、ランチの外出もない。
意識して立ち上がらないと、3〜4時間同じ姿勢が続くことがある。
私は16時になると思考が止まる感覚があった。
その正体は、午後から一度も動いていない体だった。
タイマーを使って50分ごとに立つようにしたら、その感覚がかなり和らいだ。
チェックが終わったら
5つを確認して、「いいえ」がいくつあったか数えてほしい。
0〜1個: ほぼ整っている。細かい調整を続けるだけでいい。
2〜3個: 積み重なっている可能性がある。NGだった項目を1つずつ対処していく。
4〜5個: 私の最初の状態と同じだ。でも、裏を返せば改善の余地がそれだけある。
「じゃあ何から手をつければいい?」という人には、10万円の失敗から逆引きした改善の順番を先に読んでほしい。
何を買うかより、何をどの順番で変えるかを書いてある。
「何を買うかを決める前に、全体のランキングを見たい」という人は、40代PC作業環境ランキングが参考になると思う。
余白として
チェックしてみて、「全部アウトだった」と落ち込む必要はない。
私もそうだった。
5項目全部NGで、そこから少しずつ直していった。
一度にすべてを変えようとすると続かない。
1つ確認して、1つ試す。それだけでいい。
環境は、少しずつ積み上げていくものだと思っている。
あなたの環境に、今日1つだけ改善が加わるといいと思っている。
免責事項
本記事は筆者個人の作業環境改善体験をまとめた情報提供記事です。
作業環境の改善効果には個人差があります。
身体に不調がある場合は、環境改善だけでなく専門家への相談もご検討ください。
参考情報
- 日本眼科医会「IT眼症とその対処」
- 厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
https://www.iodata.jp/ssp/magazine/180/index.htm

